寒さもここにきて、ようやく緩み春の気配が日増しに感じられるようになってまいりました。この季節の変わり目をあらわす言葉として「彼岸ひがん」があります。その「彼岸」ですが、これは仏教語で「阿弥陀様のお浄土」をあらわす言葉です。

お釈迦様は『仏説ぶっせつ観無量寿経かん　む　りょうじゅきょう』というお経の中で、「日暮れに西の空に沈んでいく太陽を見て、太陽が沈む西の彼方に浄土があると思い、すべてをつつみこんで沈んでいく彼方かなたの国こそ、安らぐ世界であると思いなさい」と述べられています。

この娑婆しゃば世界（此し岸がん）に生きる私たちは、彼岸ひがん（弥陀みだの浄土）からの光に照らされ、改めて生きることの意味や喜びに目覚めさせていただけるのではないでしょうか。

お墓参りなどでは、かけがえのない命を私たちに伝えて下さったご先祖さまや亡き方に感謝しつつ、私たちに届けられているご先祖さまの願いを聞いてみてはどうでしょうか。